【活動報告】6月21日 ハンズオンを開催しました!
- 山梨大学医学部消化器内科
- 6月23日
- 読了時間: 4分
~手技を「体験」し、消化器内科の魅力を「実感」する一日~
2025年6月21日、山梨大学消化器内科では、消化器内科ハンズオンセミナーを開催しました。山梨大学臨床研修センターだけでなく、甲府共立病院や市立甲府病院の研修医の先生など、学内外から多くの参加者にお越しいただき、さらに消化器内科に興味のある学生さんも参加してくださったりと、とても活気あるイベントとなりました。


このハンズオンでは、「見る・聴く」だけではなく、“実際に手を動かして体験する”ことに重点を置き、実臨床に即したトレーニング機会を提供しました。参加者の皆さんが真剣な眼差しで取り組む姿が非常に印象的でした。
【ハンズオンの内容をご紹介】
今回ご用意したトレーニングは、消化器内科で扱う多彩な分野を網羅しており、それぞれのセッションでそれぞれの上級医が丁寧に指導を行いました。
▶ 上部消化管内視鏡(胃カメラ)のシミュレーター体験
食道・胃・十二指腸の観察を想定したシミュレーターを用いて、スコープの基本操作や観察ポイントを体験。「自分で内視鏡を動かすのは初めて」という参加者もいらっしゃいましたが、皆さん操作しているうちにどんどん上達して、とても楽しそうでした。
▶ EMR(内視鏡的粘膜切除術)の実習
ポリープ模型を用いた専用キットで、スネアをかけて切除する一連の手技を体験していただきました。「画面で見ていたEMRが、こんなに繊細な操作の積み重ねだったとは」と驚きの声もあり、内視鏡治療の奥深さを実感する時間となりました。


▶ 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)シミュレーター
長く曲がりくねった大腸モデルを通して、スコープ挿入技術のトレーニングを行いました。上部内視鏡とはまた異なる難しさやコツなどを実際感じていただき、皆さん熱中されていました。


▶ ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)のハンズオン
側視鏡を操作して、十二指腸乳頭へのカニュレーションやステント挿入までの流れを体験。普段見たり触ったりする機会が少ないERCPという分野に触れることで、「難しさ」と「やりがい」の両方を感じていただけたのではないかと思います。

▶ ラジオ波焼灼療法(RFA)・マイクロ波焼灼療法(MWA)の実演と体験
実際の動物の肝臓を使い、RFAとMWAの加熱効果を比較しながら、がん治療に用いる焼灼療法を体感。プローブ挿入から焼灼の工程まで、肝疾患治療の最前線に触れていただくことができました。


▶ 穿刺トレーニング
超音波下での穿刺を想定したキットを用い、安全かつ的確な穿刺の方法を実践。病変の描出から、実際に穿刺していく中でどこがどのように難しいのかを知ることができたと、非常に好評でした。
▶ 腹部超音波(エコー)スクリーニング
シミュレーターを用いて、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓など、臓器の描出と病変の探し方を学ぶハンズオン。実際の所見の見え方やプローブの当て方など、臨床に即した指導が行われました。

【土屋淳紀 教授による特別講演】
実習の最後には、土屋淳紀 教授より、消化器内科という分野の魅力、働き方のリアル、そして将来の展望について熱く語っていただきました。「なぜ今、消化器内科が面白いのか」「専門医として歩むキャリアの描き方」といった内容に、参加者の皆さんも深く聞き入っていました。

【セミナー後は納涼会も開催】
セミナー終了後には、甲府駅近くの歴史あるワイナリー「サドヤ」へ移動し、参加者・スタッフ合同の納涼会を開催しました。美味しい料理と地元ワインを囲みながら、リラックスした雰囲気の中で、ハンズオンの感想を語り合ったり、普段の実習や研修ではなかなか聞けないような質問も気軽に飛び交い、とても有意義なひとときとなりました。医局メンバーとも距離が近くなり、参加者にとっても大変印象深い交流の場になりました。

最後に
今回のハンズオンセミナーは、参加者の熱意と積極性のおかげで大成功となりました。「実際に体験することで理解が深まった」「消化器内科により興味を持てた」といった嬉しい感想も多くいただいております。
山梨大学消化器内科では、今後もこのような教育機会を積極的に企画してまいります。またの機会にぜひご参加ください!