第79回 日本食道学会学術集会に参加しました
- 山梨大学医学部消化器内科
- 7月1日
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2025年6月26日・27日に、京都・国立京都国際会館にて開催された「第79回 日本食道学会学術集会」に、山梨大学消化器内科から3名の医師が参加し、発表を行いました。

今回の学会では、「Healthy Esophagus For Well-being 傷害健康な食道を!」をテーマに、全国から多くの専門家が集まり、最新の研究成果や臨床経験が活発に議論されました。
当科からは、以下の発表を行いました。
■シンポジウム14「高度狭窄を有するcStageIVB食道がんに対する治療戦略」
演題:「高度狭窄を有する進行食道癌に対する化学療法の有効性の検討」
小林 祥司 先生
進行食道癌の中でも特に難治性である高度狭窄症例に対し、化学療法の適応と有効性について、当院での治療成績をもとに検討した内容を発表しました。限られた治療選択肢の中で、患者のQOLや安全性をどのように担保するかといった点について、多くの反響をいただきました。
■一般演題ポスター16:内視鏡診断・治療2
演題:「高齢者表在型食道扁平上皮癌に対するESD非治癒切除例の追加治療と予後の検討」
久野 徹 先生
高齢者におけるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)後の非治癒切除例を対象に、追加治療の選択肢とその後の予後について後方視的に検討しました。高齢化社会において、患者背景を踏まえた適切な治療選択の重要性が改めて浮き彫りとなりました。
■一般演題口演1:内視鏡診断・治療
「咽頭におけるヨード多発不染と食道癌発生リスクの検討」
見本 雄一郎 先生(現在、がん研有明病院へ国内留学中)
咽頭に認められるヨード不染領域が、将来的な食道癌発症リスクとどのように関連するかを検討した研究成果を発表しました。早期診断・予防の観点からも注目されるテーマであり、今後のスクリーニング精度向上に寄与する可能性が期待されます。
今回の学会を通じて、食道疾患に対する診断・治療戦略のさらなる発展と、より個別化された医療の可能性を実感する貴重な機会となりました。今後も引き続き、日々の診療と研究活動を通じて、地域医療と専門医療の両立を目指してまいります。